2026-11-02 · インナーブランディング
インナーブランディングの進め方——全員で出し合い、経営者が決め、全員でやり切る
インナーブランディングとは、会社の目指す姿や大事にする価値を社員一人ひとりが理解し、日々の行動に移せる状態をつくる取り組みです。社外に向けたブランディングの土台でもあります。社内で信じられていない言葉は、社外にも届きません。
伝えるだけでは、浸透しない
理念を額に飾る、朝礼で唱和する、研修で説明する。どれも悪いことではありませんが、それだけでは現場の行動は変わりにくいものです。経営者が決めた言葉を「伝える」やり方では、社員にとって他人の言葉のままだからです。
大切なのは、社員が言葉づくりの当事者になることです。ブランドは、社長や経営陣だけで決めて配るものではなく、社員全員でつくるものだと考えています。
進め方は3段階
1. 出し合う(社員全員)。会社の強み、お客様に選ばれる理由、譲れないことを、立場に関係なく言葉にします。発言しにくい社員がいる場合は、グループに分ける、事前に書いてもらうといった工夫が必要です。
2. 決める(経営者)。出てきた言葉を材料に、最後は経営者が一人で決め、責任を持ちます。全員で決めるわけではありません。ここを多数決にすると、角の取れた、誰にも刺さらない言葉になってしまいます。
3. やり切る(全員)。反対だった人も含めて、決まったことに全員でコミットします。自分の意見を聞いてもらったという実感が、その土台になります。
定着させる4つの仕組み
言葉ができてからが本番です。日常の仕事に組み込まなければ、やがて忘れられてしまいます。
評価と結びつける。言葉に沿った行動を、評価や表彰の場で取り上げます。
判断の場で使う。会議で迷ったときに「私たちの言葉に照らすとどうか」と問いかけます。
採用で語る。求人や面接で同じ言葉を使うと、共感した人が集まりやすくなります。
現場の声を確かめる。サーベイや対話で、言葉が使われているかを定期的に確かめ、ズレを修正します。
よくある失敗
経営者自身が言葉と違う判断をすると、すべてが台無しになります。短期の売上のために、掲げた価値と反する決定をする場面こそ、社員は見ています。また、一度のイベントで終わらせないことも重要です。浸透には時間がかかる前提で、半年から数年の単位で続ける計画を立てておくと、途中で息切れしにくくなります。
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