2026-06-13 · 仙台 · ブランド理論
ケラーの4段階ブランド構築モデル――Identity から Resonance へ
「ブランディングをしたい」という経営者の言葉を、私は仙台で何度も聞いてきました。その多くが意味しているのは、「ロゴを刷新したい」「HPをきれいにしたい」「SNSを始めたい」といった施策の話です。しかし施策の前に、自社のブランドが今どの段階にあるかを確認しなければ、どれも的外れになります。ケラーの4段階ブランド構築モデル(CBBEピラミッド)は、その確認作業のための最も明快な地図です。
ピラミッドの第1段は「Identity(誰か)」です。消費者が、あなたの会社やサービスをそもそも認識しているか。名前を聞いたことがあるか、どのカテゴリーの企業かが分かるか。ここが弱いと、どんな広告を打っても、そもそも「誰が言っているか」が届きません。第2段は「Meaning(何者か)」です。認知されたあとに、どんな会社として記憶されているか。どんな価値を提供し、どんな個性を持つのかという連想の質です。ここが漠然としている会社は多い。
第3段は「Response(どう評価されるか)」です。消費者が、そのブランドに対して下す判断と感情の反応です。「信頼できる」「自分に合いそうだ」「何か惹かれる」といった評価と感情が育っているか。そして第4段が「Resonance(どんな関係か)」です。単なる反復購買ではなく、そのブランドへの積極的なロイヤルティ、愛着、コミュニティへの帰属感、能動的なエンゲージメント。顧客が自ら広めてくれる状態がここに含まれます。
私が支援する中小企業の多くが、第1段や第2段で止まっています。認知はあっても「意味」が薄い。意味があっても「評価」の言語化ができていない。この状態でSNSに広告費を投じても、効果は限定的です。まず自社のブランドがピラミッドのどの段階にあるかを診断し、下の段から積み上げていく。これがブランド構築の正しい順序です。
ケラー自身が言っています。「CBBEモデルは、ブランド構築に近道はないことを改めて示している」と。スローガンを変えても、ロゴをリニューアルしても、それだけでは Identity が育つわけではない。時間をかけて、顧客の記憶に、正しい連想を、正しい順序で積み上げることが唯一の道です。自社のブランドピラミッドを一緒に確認したい方は、ご相談ください。